今期いちばんハマったドラマ『僕らは奇跡でできている』、とうとう12月11日に最終回を迎えてしまいました。
毎週毎週ゆっくりとした時間の流れの中に、小さくも大事な事が描かれていて「小さな奇跡の積み重ねで今がある」という当たり前のことを再認識させてくれるドラマでした。
私ごとですが、娘が産まれた時、その命の奇跡に震えました。なのに「どうして出来ないの!」と毎日のように怒っている自分がいるんですよね〜。どんどん欲が出てしまう自分に気付かされます。
「当たり前」程尊いものはないのに、「当たり前以上」を娘に求めてしまう自分を認識しました。
そんな心に残るドラマ『僕らは奇跡でできている』最終話を見届けた感想をまとめてみました。
一輝は宇宙飛行士になる?
高橋一生さん演じる主人公の相河一輝は、大学講師として動物行動学を教えていました。その性格は非常にマイペースで、好きなことに無我夢中になると没頭してしまい、周りが見えなくなります。
周りに合わせないので、周囲の人を困らせる事も多々あり、はっきり言ってしまうと「社会不適合者」というレッテルを貼りたくなるような場面もありました。
第1話では「周りに迷惑をかけ、悪い影響を与えそう」という印象だったのに、最終回では「周りに勇気や良い影響を与えた」一輝でした。まさにその名の通り、一輝の存在が周りに光を放って知らず
知らずのうちに輝きを与える人物であったと思います。
そしてエンディングではなんと宇宙に行っていた一輝。
「ちょっと!宇宙のところ、もうちょっと丁寧に描いてよ!」
と心の中でツッコミを入れてしまいましたが(笑)。
一輝は自分のしたいことに素直で正直で、行動的ですね。一輝が宇宙に行くために密かに取り組んでいた事、後から考えると色々とありました。
“ロシア語の勉強“と”水泳“です。でもどうしてでしょう?
まず、”ロシア語の勉強“については、現在有人宇宙飛行に成功しているのはアメリカ・ロシア・中国です。ただしアメリカは現状有人宇宙飛行の為のロケットを飛ばしていないそうです。そして中国は中国人以外の宇宙飛行士を採用していないとのこと。日本人としてロケットに乗るにはロシアへ行くしかない、という事を一輝は知っていたのですね。
”水泳“については、宇宙は無重力ですから必須の能力となります。水中で自由に体を動かし、作業する練習は水中で行われるのです。
宇宙に行ってもキラキラした瞳で何かを見つめていた一輝、ちょっと「現実離れ?本当なの?」という気持ちも沸き起こってしまいました。
続きはどうなる?
最終回はてっきり一輝に感動し、泣かされるだろうと予想していました。しかし、一輝はこちらが予想しないスピードでぐんぐん目的に突き進み、なんと宇宙に降りたった…ちょっと見ている側は置いてけぼりになってしまいました。
私が気がつけば涙していたシーン、それは一輝の恩師である鮫島教授が生徒たちや樫野木先生に語りかけるシーンでした。
「ただそのものをいかしきること。」
ある生徒が、
「相河先生みたいになりたいです。でもやりたいことができません。」
と言いました。
鮫島教授は生徒たちに向けて一輝がいつも持ち歩いている缶について話します。例えば一輝が缶に入れているアイスの木のスプーン。人から見れば無駄なもの、ガラクタばかりが入った缶。しかし、スプーンはフィールドワークの際に目印にしたり、魚釣りの浮きの代わりにしたりと役に立つ。スプーンが他のものと比べて、何ができるとかできないとかじゃない。
ただ、そのものをいかしきること。
一輝に八つ当たりの態度を取ってしまい、自分のせいで一輝が大学を去ると思っている樫野木先生が鮫島教授のところへやってきます。
離婚がコンプレックスの樫野木先生。フィールドワークが離婚の原因であると思い込んでいたのにどうやらそうではなかったようだ、相河先生を否定することで自分を肯定していたと心情を吐露する樫野木先生に鮫島教授は優しく言います。
「うん。だから相河先生と出会えたのかもしれないね。」
鮫島教授は本当に人格者ですね。言葉のひとつひとつが心に染み込んできました。間違いなく、一輝をつくった人のひとりです。
ネットの声などチェックすると、「宇宙へ行くまでの奮闘を見たい」、「続編に期待したい」という声がありました。
何気ない日常を描いているようで、壮大な世界観を作り出すことに成功したドラマですから、ぜひとも続編に期待したいです。
それに、一輝がどうやって宇宙に行くに至ったのか。そこのところを描いてくれないと…。一輝の少しづつ前に進んで行く姿を見ていたいんです。一輝がこよなく愛するジョージと同じ亀のような根気強さが一輝にはあるのですから。